脳にはそれぞれ役割を持った場所があります。

その中でも 頭頂葉(とうちょうよう) は、

体の感覚や空間を理解する働き をしている場所です。

たとえば私たちは

  • 手で物を触ったときの感覚
  • 自分の体の位置
  • 物との距離や位置関係

などを自然に理解しています。

これらの多くは 頭頂葉の働き によって行われています。

この記事では

  • 頭頂葉はどこにあるのか
  • 頭頂葉の主な仕事
  • ダメージを受けるとどんな症状が出るのか

をやさしく解説します。

頭頂葉はどこにある?

頭頂葉は 頭のてっぺん付近にある「脳の司令塔の一つ」の部分です。

位置としては

  • 前:前頭葉
  • 後ろ:後頭葉
  • 横:側頭葉

に囲まれており、

脳の中央より少し後ろの上側にあります。

頭頂葉の主な仕事

頭頂葉にはいくつかの重要な働きがあります。

① 体の感覚を感じる

頭頂葉には

体性感覚野(たいせいかんかくや)

という場所があります。

ここでは

  • 触った感覚
  • 痛み
  • 温度
  • 圧力

などの体から伝わってきた感覚を感じています。

たとえば

  • 手で物を触る
  • 足の裏で床を感じる

といった感覚は頭頂葉で処理されています。

② 自分の体の位置を理解する

私たちは目を閉じていても

  • 手がどこにあるか
  • 足がどこにあるか

ある程度わかります。

これは

体の位置や体の動きを感じる感覚(深部感覚)

によるものです。

この情報も頭頂葉で処理されています。

③ 空間を理解する

頭頂葉は3Dシュミレーターのように

「空間認知」にも大きく関わっています。

たとえば

  • 物の位置
  • 距離
  • 左右の関係

などを理解する働きです。

この機能があることで

  • 箸で食べ物をつかむ
  • 障害物を避けて歩く
  • 車を運転する

といった高度な行動ができます。

④ 見た情報と体の動きをつなぐ

頭頂葉は

視覚情報と体の動きの調整(目と手のチームワーク)

にも関わっています。

たとえば

  • コップを見て手を伸ばす
  • ボールを見てキャッチする

などの

「見て → 動く」

という動きに重要な役割を持っています。

頭頂葉がダメージを受けるとどうなる?

頭頂葉が障害されると、次のような症状が出ることがあります。

① 感覚が鈍くなる

• 触った感覚が分かりにくい

• 温度が分かりにくい

• 痛みを感じにくい

などの皮膚から伝わる感覚から、

  • 手足の位置が分かりにくい
  • うまく体を動かせない

といった体の位置や動きの感覚が鈍くなることがあります。

その結果

  • 物を落としやすい
  • 歩きにくい

といった問題につながることもあります。

②道具が使えなくなる(失行)

頭頂葉がダメージを受けると、

道具の使い方が分からなくなる症状が出ることがあります。

これは 失行(しっこう) と呼ばれる症状の一つです。

たとえば

  • 箸やスプーンの使い方が分からない
  • 歯ブラシの動かし方が分からない
  • ハサミの使い方が分からない

といった状態です。

手や指の力が弱くなっているわけではなく、

「どう動かせばよいか」が分からなくなるのが特徴です。

④ 物の形や触った物が分からない(失認)

頭頂葉がダメージを受けると

触っても物が何か分からない

ことがあります。

これを

失認(しつにん)

と呼びます。

たとえば

  • 手の中に鍵があっても分からない
  • コインを触っても判断できない

といった症状が出ることがあります。

⑤世界の半分が消える症状(半側空間無視)

頭頂葉の障害でよく見られる症状のひとつが

半側空間無視(はんそくくうかんむし)です。

これは、特に右側の頭頂葉にダメージを受けると起こることがあります。

左右どちらかの空間を認識できなくなる症状で、

たとえば

  • 左側の物に気づかない
  • 食事の片側だけ残す
  • 壁や物にぶつかる

といったことが起こります。

⑥ 左右がわからなくなる・計算ができなくなる

特に左側の頭頂葉がダメージを受けると、

左右の区別がつきにくくなることがあります。

例えば

  • 右手と左手を間違える
  • 右と左の指示が理解しにくい

といったことが起こります。

また、頭頂葉は 数字や計算の理解にも関わっています。

そのため障害されると

  • 簡単な計算ができなくなる
  • 数字の意味が理解しにくくなる

といった症状が出ることがあります。

このような症状は

ゲルストマン症候群の一部として現れることもあります。

ゲルストマン症候群:書けない、計算できない、左右がわからない、自分や他の人の指の場所・名前がわからなくなる症状です。

まとめ

頭頂葉は

「体の感覚や空間を理解する重要な脳の場所」です。

主な働きは

  • 体の感覚を感じる
  • 体の位置を理解する
  • 空間を認識する
  • 見た情報と体の動きをつなぐ

といったものがあります。

そのため頭頂葉がダメージを受けると

  • 感覚が鈍くなる
  • 空間をうまく認識できなくなる
  • 半側空間無視が起こる
  • 触っても物が何かわからない(失認)
  • 道具の使い方がわからなくなる(失行)
  • 左右がわからなくなる
  • 計算が難しくなる

などの症状が出ることがあります。

頭頂葉は

感覚・空間・動作の理解をつなぐ重要な場所であり、

日常生活のさまざまな動作に関わっています。

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