*本記事は医学的情報提供を目的としており、診断を確定するものではありません。

「良性であって欲しい。」

「でも、もし悪性だったら・・・」

今、このブログを読んでいるあなたは、そんな割り切れない不安の中にいるかもしれません。ネットで症状を検索しては、一喜一憂を繰り返していませんか?

医療に携わるものとして、一人の経験者として、お伝えします。

症状だけでは「白黒」はつけられません💦

結論からお伝えすると、症状だけでは「これは良性」「これは悪性」

100%言い切ることが不可能です😭

脳腫瘍の正体を知るには、MRIなどの画像検査

手術で採取した細胞を調べる病理検査という

「裏付け」が欠かせません。

症状はあくまで、体が出している

「ヒント」に過ぎないのです。

性質の違い:インクの染みor膨らむ風船

よく「悪性と良性って何が違うの?」と聞かれます。

イメージとしてはこんな違いがあります。

悪性腫瘍👉インクが水にじわじわと染み込んでいくような性質

 周囲の脳の組織に根を張るように広がっていくため、進行が早い!

 数週間〜数ヶ月をかけて悪化しやすいのが特徴です。

良性腫瘍👉風船がゆっくり膨らんでいくような性質

 周りの組織と境界がはっきりしていますが、

 大きくなっていくと大切な脳をじわじわと圧迫します。

ここで知っておいて欲しいのは「良性=無害」ではない!

ということです。脳は頭蓋骨という「密閉された箱」

の中にあるため、良性であっても大きくなれば命に関わります。

大切なのは「悪性か良性か」ではなく、

「脳がどれくらい困っているか」ということなのです。

私の腫瘍:一本の電話で世界が一変。

私自身、この「白黒はっきりさせたい」という渦中にいた一人です。

検査の段階では、画像を見ても、手術中の所見でも「おそらく悪性度は低い(良性だろう)」と言われていました。私自身も「きっと良性だ、大丈夫」と自分に言い聞かせ、どこか安心していた部分があったのです。

しかし、現実は非情でした。後日届いた病理検査の結果は、「悪性星細胞腫 グレード3」。

その知らせは、主治医からの突然の電話でした。

「病理の結果が出たので、早いうちに診察の予約を取りたいんだけど……」

その淡々とした、でもどこか重みのあるトーンに、心臓が跳ね上がりました。術前後の「大丈夫」という期待が、一瞬にして形を失い、言いようのない不安が押し寄せてきました。

診察室で告げられたのは、「全摘はできたけれど、再発リスクを抑えるために放射線と抗がん剤治療が必要だ」という事実。悪性度の高いものが見つかった、という現実でした。

言われた直後は、あまりに現実味がなくて。

ただ呆然として、隣にいた妻の顔を見て、力なく少し笑うことしかできませんでした。人間、ショックが大きすぎると、感情が追いつかなくなるのだと知りました。

本当の衝撃が襲ってきたのは、その帰り道です。

妻が運転する車の助手席に座っていると、ハンドルを握る妻が突然、堪えきれずに泣き出しました。私たちは道路傍に車を停め、二人で声を上げて大号泣しました。

あの時の車内の空気、窓の外の景色。今でも鮮明に覚えています。

「白黒」の先にある、今を生きるということ

私の経験から伝えたいのは、病理結果が出るまでは「絶対」はない、ということです。

「悪性」という黒に近い診断が下った時、世界が終わったような絶望を感じるかもしれません。でも、今は医学が進歩し治療の選択肢が非常に増えています。それは、絶望の中にある「次の一手」でもあります。

白か黒か。その結果に一喜一憂するのは、あなたが自分の人生を、そして家族を大切に思っている証拠です。

もし今、あなたが一人で結果を待っているなら。あるいは、予想もしない「黒」を突きつけられて立ち止まっているなら。どうか、その感情を押し殺さないでください。泣いてもいい、笑うしかなくてもいい。自分の感情を思いっきり出し切ってください。

その先に、一歩ずつ進むための道が必ずあります。