【超大事】安全に「貯筋💪」するために。運動前に確認したい体調チェック💡

⚠️ 本記事はPT(理学療法士)でもある脳腫瘍サバイバーZUNが、自身の体験と医学的知識をもとに作成した情報提供記事です。運動の開始・継続については、必ず担当医の許可を得てから行ってください。体調悪化の際はすぐに中止し医師にご相談ください。
💪「筋トレがいいのはわかった。でも、体調が不安定で怖い…」
🤔「こんな調子だけど、運動してもいいのかな?」
その不安を抱えるのは、自分の体を大切にしている証拠です。
🤔「こんな調子だけど、運動してもいいのかな?」
その不安を抱えるのは、自分の体を大切にしている証拠です。
治療中の体は日々変化します。「いつも通り」にできない日があっても当然です。今回は理学療法士の視点から、運動を「やる・やめる・調整する」判断基準を信号機の色に例えて分かりやすく解説します。
- 治療中に起こりやすい「運動の3つの壁」と対処法
- 🔴🟡🔵 信号機チェック — 今日の体調を30秒でセルフ判定
- 運動中・運動後に「これが出たら要注意」なサイン
- 「休むのも立派なトレーニング」という考え方
🧱 治療中に起こりやすい「運動の3つの壁」
化学療法や放射線治療中は、日々体調が変化します。これらがあるから「運動禁止」ではなく、「今の自分に合わせた調整」が必要なのです。
骨髄抑制
白血球・赤血球(ヘモグロビン)・血小板の低下。貧血によるふらつき、出血しやすさが起こります。ヘモグロビン低下時は運動強度を落とすことが必須です。
末梢神経障害(CIPN)
手足のしびれ・感覚の低下。特に足裏のしびれは転倒リスクを高めます。しびれが強い場合は「立って行う運動」から「座って行う運動」に切り替えましょう。
倦怠感(がん関連疲労)
動きたい気持ちに体が追いつかないもどかしさ。集中力・バランス低下も起こります。強すぎる運動は逆に疲労を蓄積させるため、「ちょっと物足りない」強度がベストです。
💡 PTからの視点:ACSM(米国スポーツ医学会)2019年ガイドラインでは、治療中であっても「適切に調整された運動は安全で有益」と明記されています。禁止ではなく調整が鍵です。
🚥 【信号機で判定】今日の体調チェックリスト
運動を始める前に、今の自分の状態をセルフチェックしてみましょう。
🔴
レッドフラッグ — 今日は休みましょう
運動によるリスクがメリットを上回ります。体を回復させることが最優先です。
- 37.5℃以上の発熱がある(感染・炎症の可能性)
- 安静にしていても息苦しい・動悸がする
- 骨の痛みがいつもより強く、ズキズキする(骨転移の可能性を考慮)
- めまい・ふらつきが強く、立つのがやっと
- 食欲不振が強く、水分も摂れていない
🟡
イエローフラッグ — 強度を落としましょう
「少しならOK」のサイン。座って行う軽い運動・ストレッチ程度に留めましょう。
- むくみ(リンパ浮腫)に熱感や強い張りがある → 圧迫スリーブを着用し医師に相談
- しびれが強く足の感覚が鈍い → 立位運動は避け、座位・臥位メニューに変更
- 吐き気や食欲不振があり、力が入らない → 深呼吸・軽いストレッチのみでOK
🔵
ブルーフラッグ — 相談しながら進めよう
「動くのが怖い」という心の信号。まず主治医に確認を。
「自宅で自重トレーニング(自分の体重での運動)は可能か」「どんな運動ならやってもいいか」を主治医に確認し、お墨付きをもらってから運動を始めましょう。許可をもらうことで、安心して「青信号」で動けるようになります。
⛔ 運動中・運動後に「これが出たら要注意」
⚠️ 運動中のリスク管理
💬「ハァハァ」と息切れして会話できない → 強度が強すぎ。ニコニコ話せる程度まで落とす
💧急な冷や汗・強い疲労感 → 低血糖・貧血のサイン。すぐ中断して座る
🧠感じたことのないめまい・動かしづらさ → 脳・血圧の異常の可能性。すぐ中断して周囲に連絡
⚠️ 運動後の振り返り
😴翌日まで疲れが残る → 「やりすぎ」のサイン。次回は回数・時間を半分に
🦴数日続く関節の痛み → フォームが間違っているか、負荷が強すぎる可能性。専門家に相談
📝体調の変化を記録する習慣をつけると、自分の「適切な強度」が見えてきます
🧠 ZUNの体験談(前頭葉腫瘍サバイバー × PT)
術後のリハビリを始めた頃、私は「PTなんだから運動しなければ」という焦りで、自分の体調を無視して動こうとしていました。結果、翌日まで疲れが取れず、かえって回復が遅れてしまったことがあります。
今は「今日は足首を回すだけ」「お腹を意識して深呼吸する」でも立派な運動だと心から思っています。PT目線で言えば、「休む」という選択は超回復を促す積極的な行為です。完璧を目指さず、今日の自分に正直であることが、長く動ける体をつくる最短ルートでした。
🧩 まとめ:自分の身体の「一番の理解者」になろう
💪 リハビリで最も大切なのは「100点を目指さないこと」
- 🔴 発熱・息切れ・強いめまい・骨の痛みがある日は迷わず休む
- 🟡 しびれ・むくみ・吐き気がある日は座位・臥位の軽い運動にとどめる
- 🔵 「動くのが怖い」と感じたら、まず主治医に確認してお墨付きをもらう
- 「翌日まで疲れが残る」は明確なやりすぎサイン。次回は半分の量から
- 休むのも超回復の一部。「今日は深呼吸だけ」も立派なトレーニング
自分の身体の声に耳を傾け、正直に向き合うこと。それが、マイオカインを味方につけ、一生動ける体をつくる最短ルートです。 — ZUN
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📖 参考文献・エビデンス
- Campbell KL, et al. “Exercise Guidelines for Cancer Survivors: Consensus Statement from International Multidisciplinary Roundtable.” Med Sci Sports Exerc. 2019;51(11):2375-2390. PMC8576825 — ACSM 2019年版がんサバイバー運動ガイドライン
- Schmitz KH, et al. “American College of Sports Medicine roundtable on exercise guidelines for cancer survivors.” Med Sci Sports Exerc. 2010;42(7):1409-1426. PubMed:20559064 — ACSM がんサバイバー運動ガイドライン原版
- Hardee JP, et al. “The Effect of Resistance Exercise on All-Cause Mortality in Cancer Survivors.” Mayo Clin Proc. 2014;89(8):1108-1115. PMC4126241 — 筋トレとがんサバイバーの全死亡率の関係
- Stout NL, et al. “Considerations for Training Cancer Survivors.” Strength Cond J. 2010. PMC2975359 — がんサバイバーへのトレーニング指導の留意点
- Scott DA, et al. “Initiating Exercise Interventions to Promote Wellness in Cancer Patients and Survivors.” Oncology. 2019. PMC6361522 — 治療中のがん患者への運動介入の開始方法
- Kleckner IR, et al. “Beneficial effects of exercise on chemotherapy-induced peripheral neuropathy and sleep disturbance.” Oncol Nurs Forum. 2022. PMC8761687 — 運動による末梢神経障害・睡眠障害への効果
- Cramp F, Byron-Daniel J. “Exercise for the management of cancer-related fatigue in adults.” Cochrane Database Syst Rev. 2012. PMC3156559 — がん関連疲労に対する運動療法のコクランレビュー
- Basen-Engquist K, et al. “Exercise Recommendations for Cancer-Related Fatigue, Cognitive Impairment, Sleep Problems, Depression, Pain, Anxiety, and Physical Dysfunction.” Oncologist. 2013. PMC3647480 — がん関連症状別の運動推奨まとめ
- Rock CL, et al. “American Cancer Society nutrition and physical activity guideline for cancer survivors.” CA Cancer J Clin. 2022;72(3):230-262. PubMed:35294043 — ACS がんサバイバーの身体活動ガイドライン2022年版
- 国立がん研究センター. 「がんサバイバーシップガイドライン 身体活動・運動編」. 国立がん研究センター公式PDF — 日本のがんサバイバー向け身体活動ガイドライン
⚠️ 本記事は医療行為・診断の代替ではありません。運動の開始・継続は必ず担当医の許可を得てから行ってください。体調悪化・痛み・息切れ等が生じた場合はただちに中止し、医師にご相談ください。記事内の情報は執筆時点(2025年)のものです。





