*脳幹は大きく三つに分かれていますが、ここでは簡単にまとめて紹介させていただきます。

脳にはそれぞれ役割の違う場所があります。

その中で 脳幹(のうかん) は、命を支える働きをしているとても重要な場所です。

脳幹は

  • 呼吸
  • 心臓の動き
  • 意識
  • 飲み込み

など、生きていくために欠かせない働きをコントロールしています。

ここでは

  • 脳幹はどこにある?
  • 脳幹はどんな働きをしている?
  • ダメージを受けるとどんな症状が出る?

をやさしく解説します。

脳幹はどこにある?

脳幹は

脳の中心の下の方

にあります。

ちょうど

大脳と脊髄をつなぐ場所

に位置していて

「重要な通り道」

のような場所です。

脳から体へ送られる命令や、

体から脳へ送られる情報の多くが

脳幹を通って行き来しています。

木で例えるなら、大脳が「葉っぱ」で脳幹は「木の幹」です。

脳幹の主な仕事

脳幹の主な仕事は

生命維持に関わる重要な働きです。

具体的には次のような働きをしています。

① 呼吸をコントロールする

脳幹は

呼吸のリズムを調整する働きをしています。

私たちは普段、呼吸を意識しなくても

自然に呼吸が続いています。

これは脳幹が

自動的に呼吸をコントロールしているからです。

② 心臓の動きや血圧を調整する

脳幹は

  • 心拍
  • 血圧
  • 体温調整

などを調整する働きもあります。

これらは「自律神経」と呼ばれる仕組みによってコントロールされています。

自律神経を整えると良く聞きますよね?その司令塔は脳幹に当たります。

③ 意識を保つ

脳幹には

網様体(もうようたい)

という部分があり、

意識を保つ働きをしています。

そのため脳幹に強いダメージがあると

意識障害(いしきしょうがい)が起こることがあります。

④ 飲み込みや話す動きを調整する

脳幹は

  • 飲み込み(嚥下)
  • 発声
  • 舌の動き

など、口や喉の動きをコントロールする神経とも関わっています。

そのため脳幹に障害が起こると

  • 飲み込みにくい
  • むせる
  • 言葉が出にくい

といった症状が現れることがあります。

⑤ 生命を守る反射の働き

脳幹には

体を守るための反射をコントロールする働きもあります。

例えば

  • せき(咳反射)
  • くしゃみ
  • 嘔吐反射
  • まばたき

などです。

これらはすべて

体を守るための防御反応です。

例えば

  • 食べ物が気管に入りそうになったときにむせる
  • 異物が鼻に入ったときに くしゃみが出る

といった反応は、

脳幹が自動的に起こしてくれています。

私たちは普段あまり意識していませんが、

脳幹はこのような反射によって

体や命を守る大切な役割を担っています。

脳幹がダメージを受けるとどんな症状が出る?

脳幹は大脳と脊髄をつなぐ重要な通り道なので、

障害が起こると、

体のさまざまな機能に影響が出ます。

① 意識障害

前述したように、

網様体(もうようたい)と言う場所が

意識を保つ働きをしているので

網様体がダメージを受けると

  • 意識がぼんやりする
  • 反応が鈍くなる
  • 意識を失う

といった症状が起こることがあります。

② 飲み込みにくくなる(嚥下障害)

脳幹は

飲み込みに関わる神経が集まっています。

食べ物や飲み物を飲み込むときには

  • のど
  • 声帯
  • 食道

など、多くの筋肉が連携して動く必要があります。

この動きを調整しているのが

脳幹の神経です。

そのため脳幹がダメージを受けると

  • 食べ物が飲み込みにくい
  • むせやすい
  • 食べ物がのどに残る感じがする。
  • 誤って気管に入ってしまう。(誤嚥:ごえん)

といった嚥下障害が起こることがあります。

誤嚥が続くと「誤嚥性肺炎」という命にも関わる肺炎を引き起こすことがあります。そのため嚥下障害がある時は飲み込みの検査やリハビリが行われます。

③ 手足の麻痺

脳幹は

脳と体をつなぐ神経の通り道でもあります。

そのため脳幹に障害があると

  • 手足の麻痺
  • 体の動きにくさ

などの症状が現れることがあります。

大脳ではダメージと反対側に麻痺が出ますが、

脳幹は場所によっては、ダメージ側に麻痺が出ることもあります。

④ めまい・ふらつき

脳幹は小脳や内耳とも関係が深く

体のバランスを保つ機能にも関わっています。

そのため脳幹がダメージを受けると

  • 強いめまい
  • ふらつき
  • まっすぐ歩けない

といった症状が起きることがあります。

特に脳幹が原因のめまいでは

  • 立っていられないほどのふらつき
  • 吐き気や嘔吐
  • 目が揺れる(眼振)

などが同時に起こることがあります。

⑤ 目の動きに異常が出る

脳幹には

目を動かす神経が集まっています。

そのため脳幹がダメージを受けると

  • 物が二重に見える(複視)
  • 目がうまく動かない
  • 片方の目が動きにくい

といった症状が現れることがあります。

また

  • まぶたが下がる
  • ピントが合いにくくなる

などの症状が出ることもあります。

まとめ

脳幹は

命を支える働きをしているとても重要な脳の場所です。

主な働きは

  • 呼吸の調整
  • 心拍や血圧の調整
  • 意識を保つ
  • 飲み込みや発声のコントロール

など重要な機能を持っています。

そのため脳幹がダメージを受けると

  • 意識障害
  • 嚥下障害
  • 手足の麻痺
  • めまい

などの症状が現れることがあります。

脳幹は、生命維持の根本であるため、*医学的な脳死*判定において脳幹の機能が失われているかどうかが重要になります。

「脳全体の司令塔であり、完全に動かなくなると、自力で呼吸を続けることができなくなります。それほどまでに、命の根源を支えている場所なのです」

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