治療の過程で避けて通れない「副作用」という高い山。特に、体全体を包み込むような重い「だるさ(倦怠感)」は、気力さえも削り取ってしまうものです。

「今は動かずに休んでいたほうがいいのでは?」

そう思うのは自然なことです。しかし、近年のリハビリテーション医学では、「安静にしすぎないこと」が、むしろ回復への近道であることがわかってきました。

この記事では、副作用のメカニズムを紐解きながら、自宅の限られたスペースで安全に実践できる「山(副作用)を越えるための有酸素運動プログラム」をステップバイステップで解説します。

🏃‍♂️1. なぜ「動くこと」が副作用に効くのか?

副作用、特にがん関連倦怠感(CRF)は、休息だけでは解決しないのが特徴です。

【👀運動の効果】

循環の改善: 運動によって血流が良くなると、体内に溜まった炎症物質や代謝産物の排出がスムーズになりリンパの浮腫も改善出来ます。

自律神経の調整: 一定のリズムで動く有酸素運動は、乱れた自律神経を整え、睡眠の質を高めます。

「動ける」という自信: 少しずつでも体を動かすことで、身体機能の向上と共に「自分の体はまだ大丈夫だ」という心理的な前向きさが生まれます。

⛰️2. 失敗しないための「登山」プログラム

体が驚かないよう、前後にストレッチを挟む構成が基本です。

STEP 1:ストレッチ(登山準備🎒

まずは筋肉の緊張をリセットし、呼吸を深くします。

深呼吸: 鼻から吸って、口から細く長く吐き出します(可能であれば腹式呼吸)。

肩の上げ下げ: 耳に近づけるように肩を上げ、一気に脱力。これを10回繰り返します。

肩回し:手で肩を触り、前回し/後ろ回しをそれぞれ10回ずつ行います。

👉ストレッチの内容を詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

STEP 2:軽い運動(登山開始🧗)

心拍数を少しずつ上げ、血液を全身へ送り出します。

回数はそれぞれ10〜20回、「楽にできる〜少しきつい」と思う範囲で調整してください。

腿上げ:椅子に座ったまま、膝を片方ずつ交互に持ち上げる。高さは徐々に高く上げる。

膝伸ばし:椅子に座ったまま、膝を伸ばす。(膝から下を、太ももと水平になるくらいまで持ち上げる。この時足首は手前に反らして『背屈』行う)

足首の底背屈(ていはいくつ): 椅子に座ったまま、つま先とかかとを交互に上げ下げします。

👉より詳しい内容を知りたい方はこちらをご参照ください。

STEP 3:有酸素運動(登頂部🗻

ここが山登りの「登頂」部分です。無理のない範囲で行いましょう。

室内ウォーキングまたは足踏み(15〜20分):少し早い歩き方「例えるなら、信号が変わりそうな時に急ぐくらいの速さ」で歩く、足踏みする。

強度の目安: 「少し息が弾むけれど、会話ができる程度」が最適です。

⚠️副作用の強度や日差は個人差がありますので、まずは「動く」ことから始めましょう!

👉より詳しい内容を知りたい方はこちら「だるい」が消える?がんサバイバーのQOLを爆上げする有酸素運動をご参照ください

STEP 4:軽い運動(下山🏂)

急に動きを止めると血圧が変動しやすいため、徐々にペースを落とします。

ゆっくり足踏み: 3分ほどかけて、徐々に動きを小さくしていきます。

STEP 5:ストレッチ(片付け🧹)

運動後の疲労を残さないための仕上げです。

太もものストレッチ: 椅子に浅く座り、片脚を伸ばして上体を軽く前に倒します。

アキレス腱のストレッチ:椅子や手すりに捕まり、片足を後ろに大きく伸ばしてアキレス腱を伸ばします。

⛰️3. 安全に「山」を登りきるための注意点

副作用の山には、日によって「天候(体調)の波」があります。

体調ファースト: 37.5度以上の発熱や、強い動悸・めまいがある時は、勇気を持って「停滞(休み)」を選んでください。

水分と環境: 室内は適切な温度に保ち、喉が渇く前に一口ずつ水分を摂りましょう。屋外で行うときは、冬なら昼の暖かい時間帯、夏なら朝晩の涼しい時間帯を選んで実施しましょう。

主治医との連携: 貧血や血小板の数値によっては運動を控えるべき時期もあります。定期受診時に「家でこれくらい動いています」と伝えておくと安心です。

🧩まとめ:一歩の積み重ねが、景色を変える

副作用という山は、一度に飛び越えることはできません。しかし、適切な方法で身体を動かし続ければ、必ず少しずつ体は応えてくれます。

今日は「5分だけ足踏みをする」だけでも続けていれば十分効果が出てきます。自分を褒めながら、ゆっくりと進んでいきましょう。

私も治療中はなるべくストレッチや外を歩くことを意識していました。また、家庭菜園など「自分の楽しめること」も同時に行いました。

継続は力なり。」小さな継続は、未来の自分をきっと変えてくれます✨

📚参考文献・引用元

・日本癌治療学会:がん診療ガイドライン(がんサバイバーシップ)

・米国スポーツ医学会(ACSM):がんサバイバーのための運動指針

・国立がん研究センター:がん情報サービス「生活の工夫・リハビリテーション」

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