側頭葉の仕事とは?ダメージを受けるとどうなる?をやさしく解説

脳は場所によって、それぞれ異なる役割を持っています。
その中でも 側頭葉(そくとうよう) は、聞くこと・言葉を理解すること・記憶 に深く関わる大切な部分です。
耳から入った音を理解したり、会話の意味を理解したり、思い出を記憶したりする働きがあります。
そのため、脳腫瘍や脳卒中などで側頭葉にダメージが起こると
- 言葉が理解しにくくなる
- 記憶力が低下する
- めまいやけいれんが起こる
といった症状が見られることがあります。
この記事では
- 側頭葉はどこにあるのか
- 側頭葉の役割
- ダメージを受けるとどんな症状が出るのか
について、やさしく解説します。
側頭葉はどこにある?
側頭葉は 耳の少し上あたりの脳の部分 にあります。
頭で言うと、ちょうどこめかみの奥にある脳です。
この「側頭」という名前は
頭の横(側面)にあること から付けられています。

側頭葉はどんな仕事をしている?
側頭葉の主な働きは次の4つです。
① 音を聞く(聴覚)
側頭葉には 「聴覚野」という部分があり、耳から入った音を聞き分けています。
例えば
- 人の声
- 音楽
- 生活音
などを理解できるのは、この働きのおかげです。
② 言葉を理解する
多くの人の左の側頭葉には「ウェルニッケ野」という、言葉の意味を理解する部分があります。
この部分が働くことで
- 相手の話している内容を理解する
- 言葉の意味を理解する
- 会話の内容を把握する
ことができます。
③ 記憶(海馬・扁桃体)
側頭葉の奥深くには 海馬(かいば)と扁桃体(へんとうたい)という、記憶に関係する重要な部分があります。
海馬は
- 新しい記憶を作る
- 短い記憶→長い記憶に変換する
- 出来事の記憶を整理・保存する
といった役割を持ち
例えば、「昨日は何をしたか?」など
扁桃体は
- 恐怖・喜びを伴う記憶を強くする
- 強い感情を伴う体験を記憶する。
例えば、「事故や怪我の恐怖」「初恋」「トラウマ体験」など
このように記憶に関わるさまざまな働きをするため
側頭葉は 記憶の中枢 とも言われています。
④ 感情に関係する働き
側頭葉には前述した通り、「扁桃体」(へんとうたい)という部分があり、感情の処理に関わっています。
- 恐怖
- 不安
などのネガティブ感情を検知してストレス反応を起こします。
また、
- 喜び
- 快感
などポジティブ感情も処理しています。
側頭葉がダメージを受けるとどんな症状が出る?
側頭葉にダメージが起こると、次のような症状がみられることがあります。
① 言葉の理解が難しくなる(左の側頭葉)
多くの人の左の側頭葉にある「ウェルニッケ野」が障害されると
- 相手の話が理解しにくい
- 会話の意味が分かりにくい
といった症状が出ることがあります。
これを感覚性失語と呼びます。
②音や目で見たものの理解の低下(特に右の側頭葉)
側頭葉は 音や視覚情報の意味を理解する働き にも関係しています。
そのため右側の側頭葉にダメージが起こると
- 音は聞こえるのに意味が理解できない
- 見えているものが何か分かりにくい
- 人の顔を見ても誰か分からない
といった症状が現れることがあります。
これは脳が情報の「意味」を処理する働きが低下するために起こります。
③ 記憶力の低下
側頭葉の奥にある海馬が影響を受けると
- 新しいことが覚えにくい
- 最近の出来事を忘れやすい
といった 記憶障害 がみられることがあります。
④ てんかん発作
側頭葉はてんかん発作が起こりやすい場所の一つです。
側頭葉てんかんでは
- 意識がぼんやりする
- 口をもぐもぐさせる
- 不思議な感覚がする
といった症状が見られることがあります。
⑤ めまい・耳鳴り
側頭葉は聴覚と関係しているため
- めまい
- 耳鳴り
- 音が聞こえにくい
といった症状が現れることもあります。
特に 聴神経腫瘍 などでは
- 片側の耳鳴り
- 片側の難聴
がみられることがあります。
⑥ 感情理解の低下・共感する力の障害
側頭葉は相手の表情や声のトーンから感情を読み取る働きにも関係しています。
そのため側頭葉にダメージが起こると
- 相手が怒っているのか悲しいのか分かりにくい
- 相手の気持ちを想像することが難しくなる
- 人の感情に共感しにくくなる
といった症状がみられることがあります。(特に右側の側頭葉障害)
例えば
- 冗談を言われても冗談と気づきにくい
- 相手が困っていても気づきにくい
- 会話のニュアンスが分かりにくい
などです。
まとめ
側頭葉は脳の横側(耳の上あたり)にある部分で、次のような働きを担っています。
- 音を聞く(聴覚)
- 言葉を理解する
- 記憶を作る
- 感情に関わる
そのため側頭葉にダメージが起こると
- 言葉の理解が難しくなる
- 音や目で見たものがわかりにくくなる
- 記憶力が低下する
- てんかん発作
- めまい・耳鳴り
- 共感能力の低下
などの症状が現れることがあります。
脳の症状は早めに医療機関で相談することが大切です。
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