⚠️ 本記事はPT(理学療法士)でもある脳腫瘍サバイバーZUNが、自身の体験と医学的知識をもとに作成した情報提供記事です。リハビリの内容は担当リハビリスタッフ・主治医と必ずご相談ください。
「手術が終わった。でも、体がうまく動かない」
「リハビリって、何をするの?」
「どこまで回復できるんだろう……」

そんな不安に、寄り添いながら答えます。
  • 手術後に体はどんなふうに変わる?
  • リハビリって具体的に何をするの?
  • 入院中・退院後、リハビリはどう進むの?
  • 治療中でも、動いていいの?
💭 まず知ってほしいこと — リハビリへの誤解

「リハビリ」と聞くと、「つらい訓練」「頑張って体を鍛えるもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。でも、脳腫瘍後のリハビリは少し違います。

🌿 リハビリは「今日の自分と仲良くすること」

脳腫瘍後のリハビリの目標は、「元通りの体に戻ること」だけではありません。「今の自分でできる生活を、少しずつ広げていくこと」です。焦らなくていい。比べなくていい。昨日の自分より少し動けたら、それで十分。

🔄 リハビリは3つの時期に分かれます
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第1期 / 手術直後〜退院まで
急性期リハビリ — ベッドの上から始まる

手術翌日から、ベッドサイドでリハビリが始まることがほとんどです。「早く動く」ことで、筋力の低下や床ずれ、肺炎などを予防できます。最初は「体を起こす」「ベッドに座る」といった小さなステップから。焦らず、ゆっくりで大丈夫です。

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第2期 / 退院後〜外来リハビリ
回復期リハビリ — 歩く・話す・日常生活を取り戻す

歩行・階段・家事・入浴など、日常生活の動作を少しずつ回復させていきます。言葉が出にくい場合は言語聴覚士(ST)、手先の動作が不自由な場合は作業療法士(OT)も一緒に関わります。放射線・お薬の治療中も、体の状態を見ながらリハビリを続けることが大切です。

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第3期 / 在宅・長期
生活期リハビリ — 自分らしい生活を続ける

在宅での自主トレーニング・訪問リハビリ・デイケアなどを組み合わせながら、仕事や趣味、社会参加へと少しずつ広げていきます。「完全に元通り」でなくても、自分なりの充実した日常を作っていける期間です。

🌿 治療中に「疲れやすい」のは、あなたのせいじゃない

放射線や化学療法中に「とにかく疲れる」「何もする気になれない」という症状を感じる方が多いです。これは「がん関連疲労(Cancer-Related Fatigue)」と呼ばれる症状で、気力・体力の問題ではなく、れっきとした医学的な症状です。

🌿 「動けない自分」を責めないで

「もっと頑張れるはずなのに」と自分を責めてしまう方がいます。でも、疲れは体が「今は休んで」と言っているサインです。休むことも、立派なリハビリの一部。無理せず、今日の自分のコンディションに合わせて動くことが、長く続けるコツです。

💡 PTが教える「疲れとうまく付き合う」コツ
  • 「少し物足りない」くらいで止める — やり過ぎると翌日動けなくなる
  • 午前中の元気な時間を活用する — 疲れやすい時間帯を把握しよう
  • 歩くだけでも十分 — 難しい運動より、毎日少し歩く習慣のほうが大切
  • 「今日できなかった」より「今日できたこと」を数える
🫂 ご家族へ — そばで見守るあなたへ

リハビリに取り組む家族を見ていて、「もっとやってほしい」「なぜ動かないのだろう」と感じることがあるかもしれません。でも、見えない疲れや痛み、気持ちの落ち込みが、体の動きを止めていることも多いのです。

💛 ご家族にお願いしたいこと

「頑張れ」よりも、「今日も動けたね」「ゆっくりでいいよ」の一言が、患者さんの気持ちを軽くします。リハビリのペースは、患者さん自身と医療チームが決めるもの。ご家族は「見守る・一緒にいる」だけで、とても大きな力になっています。

💬 患者として体験して初めてわかったこと

PTとして患者さんのリハビリを支えてきた自分が、手術後に自分の足でうまく歩けなくなったとき——正直、焦りました。「これで復職できるのだろうか」って。

でもそこで初めてわかったんです。「がんばれ」って言葉がいかに重いか。すでに精一杯の患者さんに「もっと」を求めることの酷さを、患者になって初めて実感しました。

今だから言えること——リハビリはゴールじゃなく、今日の自分と付き合い続けること。それができたら、それで十分なんです。

— ZUN(脳腫瘍サバイバー / PT)
📖 参考文献
  1. Campbell KL, et al. “Exercise Guidelines for Cancer Survivors: Consensus Statement from International Multidisciplinary Roundtable.” Med Sci Sports Exerc. 2019;51(11):2375-2390. PubMed: 31626055
  2. Schmitz KH, et al. “American College of Sports Medicine Roundtable on Exercise Guidelines for Cancer Survivors.” Med Sci Sports Exerc. 2010;42(7):1409-1426. PubMed: 20559064
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス. 「がんとリハビリテーション」. https://ganjoho.jp/public/support/rehabilitation/index.html
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス. 「がんに伴う倦怠感(がん関連疲労)」. https://ganjoho.jp/public/support/condition/fatigue.html
⚠️ 本記事はPT(理学療法士)でもある脳腫瘍サバイバーZUNが、自身の体験と医学的知識をもとに作成した情報提供記事です。リハビリの内容は担当リハビリスタッフ・主治医と必ずご相談ください。