脳腫瘍の手術を受けたあと、体力が思うように戻らなかったり、強い疲労感に悩まされたりすることがあります。回復期に最も大きな力になるのは、家族からの自然なサポートでした。本記事では、私自身が脳腫瘍の手術と治療を経て、「本当にありがたい」と感じた家族のサポート3つを、PT(理学療法士)&当事者の視点で紹介します。

  • 休む時間を「気を遣わず」確保してくれた
  • 脳腫瘍について一緒に調べてくれた
  • 趣味の外出を運転で支えてくれた

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ZUN

理学療法士 × 脳腫瘍グレード3サバイバー

医療者として、そして患者として、両方の視点から脳腫瘍と向き合う方とそのご家族に、少しでも安心できて役立つ情報を届けられるように心がけています。

理学療法士(国家資格・2016年取得)/糖尿病療養指導士

脳卒中・整形外科・消化器・血液内科などのリハビリに従事
研修修了:呼吸器・がんリハビリ

手術・入院・リハビリ・退院後の生活を、臨床知識と実体験ベースでお伝えしています。

🤝 なぜ家族のサポートが回復を左右するのか

脳腫瘍の手術後は、見た目以上に身体と脳に大きな負担がかかっています。私自身、術後しばらくは「歩けるのに疲れる」「やる気はあるのに動けない」という、外からは分かりにくい消耗を抱えていました。

こうした時期、家族の理解とサポートは治療を続けていく上での精神的・身体的な土台になります。特別なことをする必要はありません。日常の中の小さな配慮が、当事者の心と身体をしっかりと支えてくれます。

PT(理学療法士)として多くの患者さんに関わってきた経験からも、家族のサポートが充実している方ほど、回復のスピードと心の安定が違うことを実感しています。今回は、自分が「当事者になって初めて気づいたありがたさ」を3つに絞ってお伝えします。

💛 ありがたいと感じた家族のサポート3つ

① 「休んでいい」を声に出してくれた

手術後しばらくは体力が戻っておらず、ちょっとした活動でも強い疲労を感じていました。それでも家族の前では「もう大丈夫」と無理をしがちです。

そんなとき、妻が自然な口調でこう言ってくれました。

「子どもと遊びに行ってくるから、その間ゆっくり休んでていいよ」
「片付けはできる時でいいから、今は1時間くらい横になってて」

この一言で、「休んでいいんだ」と自分に許可が出せるようになりました。1日2回ほど横になる時間を確保できたおかげで、無理せず少しずつ体力を取り戻していけたのです。

術後の患者にとって、「休む」は怠けではなく治療の一部です。家族から声をかけてもらえることで、罪悪感なく休めるのは何より大きなサポートでした。

② 病気のことを「一緒に」調べてくれた

家族は、脳腫瘍を悪化させないための生活や情報を、自分のことのように一生懸命調べてくれました。

  • 食事(塩分・栄養バランス・控えるべきもの)
  • 生活習慣(睡眠・運動・ストレス対策)
  • 再発予防の最新情報

「どうすれば体にとって良いのか」を一緒に考えてくれたこと——これは情報そのもの以上に、「自分のことを真剣に考えてくれる人がいる」という心理的な支えになりました。

調べてくれた情報を一緒に取捨選択する時間も、夫婦で病気と向き合う大切なプロセスになりました。

③ 「好きなこと」を続けるための送迎

てんかん発作後の運転制限により、私は術後しばらく車の運転ができませんでした。体力的にも社会的にも、移動は大きな壁となります。

そんなとき家族は、趣味や外出の際に進んで送迎を引き受けてくれました。「自分の都合だから」「いいよ、出かけてきな」と、こちらが申し訳なく感じないような声かけをしながら。

好きなことを続けられる時間は、体の回復だけでなく「自分らしさ」を保つための心の栄養になりました。「病気になっても、自分は自分のままでいい」と感じられたことが、長い治療を乗り越える原動力になっています。

🩺 PT(理学療法士)として、ご家族にお伝えしたいこと

リハビリ職として、私はこれまで多くのご家族から「どこまで手伝えばいいの?」「無理させない方がいいの?」という質問を受けてきました。当事者になって、その答えがやっと自分の言葉で語れるようになりました。

大切なのは、「特別なことをする」のではなく「自然に寄り添う」こと。手伝いすぎず・突き放さず——これがご家族に求められる絶妙なバランスです。

そして、もう一つ。ご家族自身の「休息」も忘れないでください。介護や付き添いは長丁場です。共倒れにならないために、ご家族にも自分の時間が必要です。当事者の私からも、心からお願いしたいことです。

📝 まとめ:家族の理解が、回復の最大の支え

脳腫瘍の手術後は、体力の低下・不安・生活の変化など、目に見える負担も、目に見えない負担も同時に押し寄せます。そんな中で家族のサポートは、治療やリハビリを続けていくための大きな心の支柱になります。

特別なことではなく、「自分のことを一緒に考えてくれる人がいる」——そう思えるだけで、気持ちも身体も自然と休まる。これが私の実感です。

これから脳腫瘍の回復期を支えるご家族にとって、本記事が少しでも参考になれば嬉しいです。そして、サポートしてくれたすべてのご家族に、改めて「ありがとう」

※この記事について:本記事は、PT(理学療法士)でもある脳腫瘍サバイバーZUN個人の実体験に基づいた手記です。脳腫瘍の症状・回復経過は患者さんによって大きく異なります。具体的な介助方法や生活上の配慮は、必ず担当医師・理学療法士・看護師・ソーシャルワーカーにご相談ください。
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ZUN
🩺 理学療法士|脳腫瘍サバイバー|長野県在住 2016年に理学療法士の国家資格を取得し、総合病院の急性期病棟で 脳卒中・整形外科リハビリを担当(糖尿病療養指導士/呼吸器リハ研修・がんリハ研修修了)。 2024年、悪性星細胞腫グレード3を発症。手術・放射線・化学療法を経て 現役で職場復帰。「医療者の知識」と「患者の実体験」の両方から、 脳腫瘍患者さんとご家族の力になる情報を発信しています。 詳細プロフィールは👇https://zunsyuyotaiken.com/profile/