第2話:脳腫瘍発覚

🏥 救急救命センター、深夜のCT検査
病院に到着してすぐ、意識がまだ完全にはっきりしない中でCT検査を受けました。
運ばれてきた私を待っていたのは、医師からの淡々とした、けれど重みのある一言でした。
「右前頭葉(みぎぜんとうよう)に影があります」
その瞬間はまだ、自分の身に何が起きているのか実感が湧きませんでした。脳腫瘍は中高年の男性に多いと勉強していたので、「まさか私の脳に腫瘍!?」と、ぼんやりしながらも困惑したのを覚えています。
🛏️ 人生初の入院と、確定診断への階段
その夜はそのまま緊急入院となり、私の人生で初めての「入院生活」が幕を開けました。翌日には、より詳しく調べるための造影MRI検査が行われました。
狭い機械の中で響く、工事現場のような音を聞きながら、頭の中は不安と期待が入り混じっていました。そして検査の結果、ついに「右前頭葉の脳腫瘍」という診断が確定したのです。
🧠 脳外科医の言葉
脳外科の主治医からは、画像を見ながら詳しい説明を受けました。
「通常の脳の組織と、腫瘍の部分の境界が比較的はっきりしています。これなら、おそらく悪性度はそこまで高くない(グレードが低い)ものではないでしょうか」
🌅 かすかな希望、そして眠れない夜
主治医の言葉に、絶望の中に一筋の光が見えたような気がしました。手術は避けられない。けれど、悪性でないならば、きっと大丈夫。そう自分に言い聞かせていました。
しかし、どうしても安心材料が欲しくて、何度も何度もインターネットで「脳腫瘍 余命」「脳腫瘍 悪性 予後」などと調べていました。手術までの日取りは、ポジティブな記事を繰り返して読み、不安を払拭しようとする日々を過ごしていました。
🩺 PT(理学療法士)として、振り返って思うこと
理学療法士として、私はこれまで「腫瘍があります」「影が見えます」という説明を受けた直後の患者さんを、何度もリハビリ室で迎えてきました。表面上は落ち着いていても、その夜は眠れていない方が大半です。
あの時の私もそうでした。「境界がはっきりしている」という主治医の言葉を、PTの知識として「グレード低い可能性が高い」と理解できたはずなのに、夜になると「脳腫瘍 余命」を何度も検索している自分がいました。
知識があっても、当事者になると感情にはかなわない。冷静に解説できる立場の私が、ベッドの上では一人の不安な患者でした。だからこそ今、リハビリに来る患者さんが「実はこんなこと検索しちゃって…」と打ち明けてくれた時、「わかります、私もそうでした」と、心の底から共感できるようになったのだと思います。











