脳腫瘍の入院期間はどのくらい?術前~退院まで1週間単位で解説

「入院はどれくらい続くの?」「仕事や家族の生活はどうなる?」——脳腫瘍と診断された時、誰もが不安に思う疑問です。
脳腫瘍の入院期間は、腫瘍の場所・大きさ・悪性度、手術方法、術後の合併症、家庭環境などによって個人差が大きく、一概に「〇週間」と断言できるものではありません。それでも、大まかな流れを知っておくだけで、不安はずいぶん和らぎます。
この記事では、PT(理学療法士)でもある脳腫瘍サバイバーのZUNが、手術を受ける場合を中心に、入院から退院までの流れとリハビリの内容をわかりやすくお伝えします。
📋 このページでわかること
✅ 脳腫瘍手術の入院期間の目安(手術あり・なし・合併症あり)
✅ 手術前に行われる検査の種類と目的
✅ 手術後の回復の一般的な流れ(ICU〜一般病棟〜退院)
✅ リハビリ(PT・OT・ST)がいつ・何のために始まるか
✅ 退院の目安と退院後に続く治療・ケア
📅 1. 脳腫瘍の入院期間はどれくらい?
👨🏼⚕️
手術あり(開頭術)
2〜4週間 が多い
術前検査1〜2日+手術後の回復・リハビリ期間を含む
🔬
生検・小さな腫瘍・経過観察
数日〜1週間
腫瘍が小さく合併症がない場合は比較的短期間
♿
合併症・リハビリが必要な場合
1か月以上 〜 転院も
麻痺・高次脳機能障害があると回復期病棟への転院も
🔍 2. 手術前の入院と行われる検査
多くの場合、手術の1〜2日前に入院します。この期間は手術の説明を受けたり、体調を整えたりする時間でもあります。主な検査は以下のとおりです。
🧲 MRI検査(造影MRIも)
腫瘍の位置・大きさ・周囲のむくみ(浮腫)・悪性度の推定。手術計画の核心となる検査。
🩸 MRA検査(脳血管撮影)
腫瘍と脳血管の位置関係・出血リスクを確認。手術中の血管損傷を防ぐために重要。
💉 血液検査
貧血・炎症反応・腎機能・肝機能・電解質・血糖・凝固能など、手術の安全性を確認する一般的な項目。
🫀 心電図・CT検査
心電図は不整脈・手術耐久性の確認。CTはMRIと同様に腫瘍の評価や術後出血の確認にも使用。
😷 麻酔科診察
全身麻酔の方法・気管挿管のリスク・アレルギー確認。覚醒下手術の場合は詳しい説明も。
📋 インフォームド・コンセント(説明と同意)
手術方法・リスク・術後の予想される変化について医師から詳しい説明を受け、同意書にサインをします。
🏨 3. 手術後の回復の流れ
手術後は、体の状態を慎重に確認しながら段階的に回復を進めます。以下は一般的な流れですが、個人差が大きい点はご承知おきください。
🧑⚕️ 4. 脳腫瘍のリハビリはいつ・何をする?
脳腫瘍手術後のリハビリは、術後24〜72時間以内の早期開始が推奨されています(日本集中治療医学会ガイドライン)。早い段階から体を動かすことで、回復を助ける効果が期待できます。
リハビリの内容は身体の状態・障害の種類によって異なり、主に以下の3種類の専門職が関わります。
🏠 5. 退院の目安とその後の生活
📋 退院のための一般的な基準
✅ 術後の主な合併症(発熱・感染・出血・けいれん)がコントロールされている
✅ 手術の傷が良好に治癒して抜糸が済んでいる(多くは術後7日前後)
✅ 新たな神経症状の出現・悪化がない
✅ 最低限の日常生活動作ができる(トイレ・食事・室内移動手段の確保)
✅ 退院後の通院スケジュール・サポート体制が整っている
すべての基準を完全にクリアしていないと退院できないわけではなく、病院ごと・患者さんの状態ごとに判断が異なります。「いつ退院できますか?」と担当医や担当セラピストに積極的に確認してみてください。
🏃 退院後もケアは続きます
🏥 外来通院(定期MRI)
🧘 外来リハビリ(後遺症があれば)
☢️ 放射線治療
💊 薬物療法(テモゾロミド等)
🏠 訪問リハビリ(必要時)
🧠 高次脳機能リハビリ
🩺 ZUN体験談|脳腫瘍サバイバー × PT
「術後1日目、起き上がるだけでこんなにふらつくのか」と驚きました
私は術後1日目から運動機能の評価、ベッドへの端座位練習、そして5mほどの短距離歩行練習をしました。理学療法士として普段は患者さんの起き上がりを介助していた私が、いざ自分が当事者になると…。
普段起き上がりを手伝う側だった私でも、1〜2日寝ているだけで「こんなにふらつくものか」と思いました。特にベッドに腰かけた瞬間、身体が勝手に後ろへ倒れるような感覚があり、起き上がること自体が怖くなりました。
これは廃用による筋力低下・バランス機能の低下が短期間で起きるからです。PTとして頭でわかっていても、体で感じると本当に驚きます。だからこそ早期のリハビリ開始と、転倒への十分な注意が大切なのだと身をもって実感しました。
❓ よくある質問(FAQ)
📝 まとめ
📌 この記事のポイント
・入院期間は手術ありで2〜4週間が目安。生検なら数日、合併症ありで1か月以上のことも
・術前検査はMRI・MRA・血液・心電図・麻酔科診察などの複数項目
・術後はICU→一般病棟→リハビリ→退院の段階的な流れで回復を進める
・リハビリは術後24〜72時間の早期開始が推奨。PT・OT・STの3職種が関わる
・退院後も外来通院・リハビリ・放射線・薬物療法などケアは続く
・体調には個人差。他人と比べず、自分のペースで回復を
不安な気持ちを抱えている方も多いと思いますが、医療スタッフに遠慮なく質問しながら、一歩ずつ回復を目指していくことが大切です。きっと親身に寄り添ってくれます。ZUNも同じ道を歩いてきました。
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1. 山田慎一. 「脳腫瘍周術期の管理」. Jpn J Rehabil Med. 2019;56:609-612.
2. 日本神経腫瘍学会. 「脳腫瘍診療ガイドライン 成人脳腫瘍編 2024年版」.
3. 国立がん研究センター がん情報サービス. 「脳腫瘍〈成人〉 治療」. https://ganjoho.jp/
4. 日本集中治療医学会. 「集中治療における早期リハビリテーション 〜根拠に基づくエキスパートコンセンサス〜」. https://www.jsicm.org/
5. Hakkinen K, et al. “Early mobilization in postoperative glioma patients” Scientific Reports. 2025.
6. “Rehabilitation of Adult Patients with Primary Brain Tumors” PMC. 2020.
7. 国立がん研究センター 希少がんセンター. 「リハビリテーション」.











